公募推薦を調べようとすると、最初に募集要項や入試制度を見てしまいがちです。
科目は何か。評定は必要か。英検は使えるか。高得点科目重視とは何か。調査書は何点入るのか。
もちろん、どれも大事です。
でも、生徒や保護者と進路相談をしていると、毎回感じることがあります。
制度を先に説明しても、なかなかピンとこない。
なぜかというと、一番知りたいことがまだ分からないからです。
それは、
この大学に自分は合格できそうなのか。
ここです。
だから私は、公募推薦を調べるときは、まず制度ではなく過去の入試結果から見るのが一番分かりやすいと思っています。
目次
- まず入試結果を見る
- 一番見るのは合格最低点
- ただし、その点数がそのまま比較できるとは限らない
- 得点調整がある大学はどう見るか
- そのあとで入試制度を見る
- 過去問を本番と同じように解く
- あと何点かを見る
- 複数大学を同じ方法で並べる
- 公募推薦は順番さえ分かれば難しくない
1.まず入試結果を見る
例えば、近畿大学と摂南大学の公募推薦を検討しているとします。
最初に大学のホームページで探したいのは、募集要項ではなく過去の入試結果です。
ここには、
- 志願者数
- 受験者数
- 合格者数
- 競争倍率
- 合格最低点
- 合格最低得点率
などが載っていることがあります。
全部参考になりますが、まず一番見たいのは合格最低点です。
なぜなら、最終的に知りたいのは、
去年は何点取れば合格できたのか
だからです。
2.一番に見るのは合格最低点

例えば300点満点の入試で、
合格最低点が198点
だったとします。
これなら非常に分かりやすいです。
198点以上なら前年の合格ライン。
自分が過去問を解いて190点なら、あと8点。
205点なら、前年ラインを超えている。
倍率が3倍、4倍と言われても、そこまで実感が湧かない生徒は多いです。
でも、
あと8点
なら一瞬で分かります。
だから私は、公募推薦を考えるときは、まずこの数字を見ます。
3.ただし、その点数がそのまま比較できるとは限らない
ここで一つ注意があります。
大学によっては、受験生が実際に取った点数をそのまま合計して合否を決めていない場合があります。
科目ごとの平均点に差が出たとき、それをならすために得点調整を行う大学があります。
資料の中には、この調整方法として偏差値という言葉が出てくることもあります。
ここはかなり紛らわしいです。
でも、この偏差値は、
大学の難易度を表す偏差値ではありません。
模試でいう偏差値50、55、60という話ではないです。
簡単に言うと、
英語が難しかった、国語が簡単だった、という科目間の差をならして公平に判定するための計算
です。
4.得点調整がある大学はどう見るか
得点調整がある場合、大学が公表している合格最低点は、自己採点した点数とそのまま比較できないことがあります。
ここがややこしいところです。
例えば、自分が過去問を解いて200点取ったとしても、大学の合格最低点が得点調整後の200点なら、
自分の200点と大学の200点は同じ意味ではない
可能性があります。
だから、入試結果を見るときは、
- 合格最低点は素点なのか
- 得点調整後なのか
- 合格最低得点率は載っているか
- 入試結果の注意書きに得点調整の説明があるか
ここを確認します。
もし素点で比較できるなら、そのまま使えばいい。
もし得点調整後しか分からないなら、そこは無理に断定しません。
その場合は、
前年の合格最低得点率と、自分の過去問の得点率をおおよその目安として比べる
くらいが安全です。
例えば、
前年の合格最低得点率 65%
自分の過去問得点率 61%
なら、
おおよそあと4%
という見方です。
完全に同じ条件ではありませんが、現在地を見る材料にはなります。
5.そのあとで入試制度を見る
ここまで見てから、初めて入試制度を確認します。
この順番が大事です。先に入試結果を見ていれば、
この方式は合格最低点が高いな。
こっちは少し低いな。
何が違うんだろう。
という疑問が出てきます。
そこで制度を確認します。
見るのは、
- 何科目で受験するか
- 配点はどうなっているか
- 調査書が入るか
- 評定が加点されるか
- 英検などの資格が使えるか
- 高得点科目重視があるか
- 均等配点か
- 得点調整があるか
このあたりです。
つまり、制度は最初に全部覚えるものではなく、
入試結果の意味を理解するために見る
くらいでいいと思っています。
6.過去問を本番と同じように解く
制度が分かったら、次に過去問です。
ここで大事なのは、数問だけ解いて終わらないことです。
できれば本番と同じ時間で、1年分をしっかり解きます。
英語と国語なら両方。
英語と数学なら両方。
そして採点します。
例えば、
英語 102点
国語 96点
合計 198点
だったとします。
前年の合格最低点が210点なら、
あと12点。
ここまで来ると、一気に現実になります。
7.あと何点かを見る

私はここが一番大切だと思っています。
偏差値がいくつか。
倍率が何倍か。
高校の定期テストが何点か。
もちろん全部参考にはなります。
でも、公募推薦の合格可能性を考えるなら、一番分かりやすいのは、
その大学の問題を解いて、前年の合格ラインまであと何点なのか
です。
例えば、
合格最低点 210点
自分の点数 198点
差 -12点
なら、あと12点。
別の大学で、
合格最低点 195点
自分の点数 202点
差 +7点
なら、前年ラインは超えている。
この方が、生徒も保護者も圧倒的に分かりやすいです。
8.複数大学を同じ方法で並べる
大学は一校だけではありません。
だから、この方法を複数大学でやるとさらに分かりやすくなります。
例えば、
A大学 -40点
B大学 -10点
C大学 +12点
となれば、
A大学は挑戦。
B大学は十分狙える。
C大学はかなり可能性がありそう。
ということが見えてきます。
この段階まで来れば、大学の名前やイメージだけで話す必要はありません。
生徒自身も、
どこなら現実的か。どこはまだ足りないか。
かなり分かるようになります。
9.公募推薦は順番さえ分かれば難しくない
公募推薦は、制度だけを見ると複雑に見えます。
でも、私は見る順番を決めればかなり分かりやすくなると思っています。
流れはこれです。
1.まず入試結果を見る
2.合格最低点と得点率を見る
3.その点数が素点か得点調整後か確認する
4.次に入試制度を見る
5.使う科目や調査書、資格を確認する
6.過去問を本番通り解く
7.合格ラインとの差を見る
8.複数大学を並べる
これだけです。
もちろん、最終的に大学を決めるときは、
学部。
通学。
学費。
大学の雰囲気。
就職。
学びたい内容。
いろいろ考える必要があります。
でも、最初から全部を一緒に考えると混乱します。
まずは一度、この大学に自分は合格できそうなのか
だけを見る。そのために最初に見るのが、過去の入試結果です。
そして、点数をそのまま比較できる大学なのか。得点調整があるのか。そこだけ確認する。
そこから過去問を解いて、今の自分との差を見る。
私はこの順番が、公募推薦を一番分かりやすく見る方法だと思っています。


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