高校を卒業していなくても大学へ行ける。「高卒認定試験」

保護者向け

高校に行けなくなった。

高校を中退した。

このままだと大学や専門学校には行けないのではないか。

進路相談をしていると、こうした不安を持っている生徒や保護者の方に出会うことがあります。

でも、高校を卒業していなくても、大学や専門学校への道がなくなるわけではありません。

その一つが、高等学校卒業程度認定試験、いわゆる「高卒認定試験」です。

名前だけ聞くと少し難しそうですが、制度そのものはそれほど複雑ではありません。

簡単に言えば、高校を卒業していない人が、「高校卒業者と同等以上の学力があります」と国から認めてもらうための試験

です。

高卒認定に合格すると何ができる?

一番大きいのは、大学・短大・専門学校を受験できるようになることです。

文部科学省の資料にも、高卒認定合格者には大学・短大・専門学校への入学資格が与えられると書かれています。

つまり、

高校を中退した
↓
高卒認定に合格
↓
大学を受験
↓
大学へ進学

という進路も普通に考えることができます。就職や資格試験などでも、高卒者と同等に扱われるよう制度整備が進められています。

ただし高校卒業とは違う

ここは非常に大切です。

高卒認定合格=高校卒業ではありません。

あくまで、高校卒業と同等以上の学力があると認定される

制度です。

ですから、高卒認定に合格しただけで最終学歴が高校卒業になるわけではありません。

一方、通信制高校を卒業すれば、こちらは正式な高校卒業です。

この違いは知っておいた方がいいでしょう。

ただ、大学へ進学して卒業すれば、その後は大学卒業という学歴になります。

そのため、大学進学が目的なのであれば、高卒認定は非常に現実的な選択肢

だと私は思います。

試験は一発勝負ではない

ここを知らない人は多いと思います。

高卒認定試験は、一度の試験ですべての科目に合格する必要はありません。

合格した科目はそのまま残り、次回は不合格だった科目だけ受験できます。文部科学省も「合格科目を累積することができる」としています。

例えば、

1回目
9科目中6科目合格

2回目
残り3科目のうち2科目合格

3回目
最後の1科目合格

でも大丈夫です。

これはかなり大事なポイントです。

全部一気に合格しなければならない試験ではありません。

何科目受けるの?

令和8年度から「情報」が追加され、高卒認定に必要な科目数は、理科の選び方によって9〜10科目になります。

基本となるのは、

国語
数学
英語
地理
歴史
公共
情報

そして理科です。

理科には2つの選び方があります。

科学と人間生活+基礎科目1つ

または、物理基礎・化学基礎・生物基礎・地学基礎の中から3科目です。

最初に見ると科目数が多く感じます。

でも、ここから話が少し変わります。

高校で取った単位があれば、試験が免除されることもある

高校を途中で辞めた生徒の場合、

高校在学中にすでに取った単位がある

ことがあります。その単位によって、高卒認定試験の一部科目が免除される場合があります。

さらに、英検・数検・歴検などの資格によって免除になる科目もあります。

だから、高校を中退した生徒に対して、

「じゃあ9科目全部受けよう」

とすぐ決めるのは違います。

まず確認するべきなのは、

高校で何単位取っているのか。
すでに持っている資格はないか。

ここです。

進路相談では、ここを最初に確認したいところです。

それでも苦手科目だけ残ったら?

例えば、

高卒認定を受験して、ほとんど合格した。

でも、

どうしても数学だけ受からない。

こういうケースも考えられます。

その場合、もう一つ知っておきたいのが、

科目履修という方法です。

通信制高校などで、必要な科目だけ履修して単位を取得する方法があります。

例えば数学なら、

レポート提出
↓
スクーリング
↓
単位認定テスト
↓
数学の単位を取得

という形で進めます。必要な条件を満たせば、その単位を使って高卒認定の数学を免除科目にできる場合があります。

つまり、試験に何度も挑戦する以外の道もある

ということです。

数学が本当に苦手な生徒に、

「もう一回試験を受けろ」と言い続けるだけが進路指導ではありません。

本人に合った方法を探すことの方が大切です。

16歳から受験できる

高卒認定試験は、16歳になる年度から受験できます。

そのため、高校を中退した人だけの制度ではありません。

文部科学省の資料では、

中学校卒業者
高校中退者
高校在学中だが通学していない人

なども受験対象として紹介されています。

ただし、18歳になる前にすべての科目に合格した場合は、18歳の誕生日から正式な合格者となります。

試験は年2回

高卒認定試験は、

8月と11月の年2回

実施されています。

一度で全部取れなくても、次があります。

この点でも、一回失敗したら終わりではありません。

受験料もそれほど高くない

令和8年度の受験料は、

1〜3科目 4,500円
4〜6科目 6,500円
7〜10科目 8,500円

となっています。

もちろん受験対策の教材費や塾代などは別ですが、試験そのものの受験料はこの程度です。

高校に行けなかったから、進路が終わるわけではない

私はここが一番伝えたいところです。

学校に行けなくなる。

高校を辞める。そうなると本人も保護者も、

普通のレールから外れてしまったと感じることがあります。

でも、進路を調べてみると実際にはいろいろな道があります。

通信制高校へ行く。

高卒認定を取る。

一部科目だけ科目履修する。

高卒認定から大学へ進学する。

一つの道が難しくなったとしても、

別の道を探せばいい。高卒認定試験は、そのために用意されている選択肢の一つです。

年間約2万人が出願し、令和7年度には7,937人が合格しています。決して特殊な試験ではありません。

高校に行けていない。

高校を辞めようか悩んでいる。

それでも大学や専門学校へ行きたい。

そんな生徒には、

高校卒業だけが進学への一本道ではないよ

と伝えてあげたいと思います。

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