大学進学だけが進路ではありません。
実は、日本には国土交通省が所管する専門教育機関があり、
空や海の専門職を育成しています。
今回は以下の4校をご紹介いたします。
- 航空保安大学校
- 航空大学校
- 海上技術短期大学校
- 海上技術学校
これらは職業直結型の学校です。
■ 航空保安大学校
▶公式サイト
https://www.cab.mlit.go.jp/asc/
【どのような職業を目指すのか】
航空管制官
航空情報官
航空管制技術官
空の安全を守る国家公務員です。
【学費・給与】
・入学金:なし
・授業料:年額0円
・国家公務員(一般職)として採用
・給与:月額約17万円前後
・賞与あり
学びながら給与が支給されます。
【入学難易度】
目安として
・偏差値50〜54
・国家公務員一般職(大卒程度)レベル
特に英語・数学の学力が求められます。
倍率は1.5倍~4.0倍程度で難関校と言えます。
【入学後の状況】
2年間の専門教育。
専門科目は高度で、訓練は厳しめです。
卒業後は航空局等へ配属されます。
■ 航空大学校
▶公式サイト
https://www.kouku-dai.ac.jp/
【どのような職業を目指すのか】
民間航空会社のパイロット。
【学費】
・入学金:282,000円
・授業料:約480万円(2年間総額)
→ 年額換算:約240万円
給与支給はありません。
【入学難易度】
航空大学校の入試は三段階選抜です。
・第一次試験は英語(筆記・リスニング)と総合(数学・理科・判断力等)の筆記試験です。
・第二次試験では第1種航空身体検査基準に基づく厳格な身体検査(心理検査・脳波含む)が行われます。
・第三次試験では面接および飛行訓練装置による操縦適性検査があります。
学力だけでなく、身体適性・精神適性・操縦適性まで総合的に判断される、非常に厳しい選抜制度です。
【入学後の状況】
飛行訓練中心の実践教育。
体力・精神力が求められます。
卒業後は航空会社へ進みます。
■ 海上技術短期大学校
▶公式サイト
https://www.jmets.ac.jp/shimizu/
【どのような職業を目指すのか】
航海士・機関士(船舶職員)
【学費】
・入学料:約7万円
・授業料:年額約17万円
比較的低額です。
寮生活となります。
【入学難易度】
海上技術短期大学校(専修科・2年課程)は、航海士・機関士を養成する国立の専門教育機関です。
選抜は総合型・学校推薦型・一般選抜(11月期・1月期)で実施されます。
試験では基礎学力検査(国語・数学)、面接、身体検査が行われます。
高卒(見込み含む)以上が出願資格で、船員としての適性が重視されます。難易度の目安は「高校の基礎学力が身についていれば十分挑戦可能」なレベルです。
入学後の状況】
寮生活。
海上実習あり。
資格取得がゴールとなります。
■ 海上技術学校
▶公式サイト
https://www.jmets.ac.jp/tateyama/
【どのような職業を目指すのか】
船員(甲板部・機関部)
【学費】
・入学料:5,650円
・授業料:年額約12万円
寮生活となります。
【入学難易度】
学力より適性・体力重視です。
【入学後の状況】
全寮制。
規律は厳しく、実習中心です。
卒業後は船員として就職します。
省庁所管の学校という選択肢
これらの学校の存在は、実はあまり広く知られていません。
しかし、よく見てみると非常に合理的な特徴を持っています。
・学費が比較的安い
・給与が支給される学校もある
・卒業後の職業が明確に決まっている
・国家公務員ルートにつながる場合もある
つまり、「進学」と同時に「職業」がほぼ確定する進路です。
航空保安大学校卒業者は国家公務員として勤務し、30代で年収500〜700万円程度が目安です。
航空大学校卒業者は民間航空会社のパイロットとなり、副操縦士で600〜1,000万円、機長では1,500万円以上も可能です。
海上技術短期大学校・海上技術学校の卒業者は航海士・機関士として勤務し、年収は500〜800万円前後が一般的です。
いずれも専門性が高く、代替されにくい職種です。
景気の影響を受けにくく、安定性も高い進路と言えるでしょう。
「空の仕事がしたい」
「海で働きたい」
「専門職として安定した道を歩みたい」
そのような思いがある生徒にとっては、非常に合理的な選択肢となります。
進路は「とりあえず大学」ではありません。
目的が明確であれば、職業から逆算する進路設計の方が、結果として合理的な場合もあります。
知られていないからこそ、価値がある。
進路の選択肢は、想像以上に広いのです。


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