非正規雇用が生む格差。若いうちに考えてほしい「働き方」の現実

進路とお金

進路相談をしていると、よくこういう声を聞きます。

「とりあえず働ければいい」
「最初はアルバイトでもいいかな」
「気楽でいいから派遣社員のままでいい」

もちろん、働き方には様々な選択肢があります。
しかし、社会の仕組みを見ていくと、正規雇用と非正規雇用の差は年齢を重ねるほど大きくなるという現実があります。

今回は、私自身の体験とデータの両方から、非正規雇用について考えてみたいと思います。

若い頃は差が小さいが、年齢とともに大きくなる

若い頃は、正社員でも給料はそれほど高くありません。
アルバイトや派遣と大きく変わらないこともあります。

しかし問題は、その後です。

正社員は入社年数を重ねることで、少しずつ賃金が上がる傾向があります。
一方で、アルバイト・パート・派遣などの非正規雇用は、賃金が上がりにくい傾向があります。

実際の統計でも、年齢とともに差が広がることが確認されています。

例えば、2023年の賃金データでは、45〜49歳の男性では正規雇用の年収が非正規雇用の2倍以上になるケースもあります

つまり、

20代 → 差は小さい

30代 → 差が広がる

40代 → 大きな格差になる

という構造です。


学歴よりも「雇用形態」の影響が大きい

さらに興味深いデータがあります。

高卒でも正社員で働いている人の年収は、
大学卒の非正規雇用より高くなるケースも多いと言われています。

つまり、学歴より・職業より「雇用形態」の影響が非常に大きいということです。

進路を考える時に、好きな仕事イメージだけで決めてしまうと、
後になって大きな差になることがあります。


私が派遣会社で働いていた時に見た現実

私は10年以上前、人材派遣会社で営業をしていました。

その時に強く感じたことがあります。

それは、日払いや週払いの給与を必要とする人が非常に多かったということです。

「今日お金がもらえないと交通費がない」
「食費がない」

そういう人も珍しくありませんでした。

もし給料の振り込みが一日でも遅れると、本当に大きなクレームになります。

それだけ、目の前のお金が重要だったのです。

一生懸命働いている人はたくさんいました。
真面目に仕事をしている人も多かった。

しかし、多くの人が

日払い → 週払い → その場しのぎ

というサイクルから抜け出せずにいました。

目先の収入が重要すぎて、長期的な生活設計が難しくなってしまうのです。
正社員の仕事を探すような余裕を感じる事ができませんでした。

経済格差は、人生にも影響する

非正規雇用の問題は、単なる収入の問題ではありません。

研究では、雇用形態による収入格差が

  • 結婚
  • 出産
  • 家族形成

にも影響すると指摘されています。

例えば、未婚者が結婚できない理由として最も多いのが結婚資金です。

つまり、働き方の違いが人生の選択にも影響してしまうのです。

進路を考える時に見てほしいこと

就職を考える時、多くの人は

  • 月収
  • 初任給
  • 労働時間

など、目先の条件を見ます。

しかし本当に大事なのは、その業界、その会社で10年後・20年後にどれくらいの収入があるのかです。

そのために私は、

  • 業界研究
  • 四季報
  • OpenWork
  • 年収データ

などを確認することをおすすめしています。

若いうちは差がなくても、30代・40代になると大きな差になるからです。

若いうちはできるだけ正社員を目指そう

もちろん、すべての非正規雇用が悪いわけではありません。

しかし、もし可能なら若いうちは正社員として働ける道を探すことをおすすめします。

そして、

  • 長く働けるか
  • 成長できるか
  • 社会に必要とされる仕事か

こういった視点も持ちながら、進路を考えてほしいと思います。


最後に

私はこれまで社会人として25年働いてきました。

営業も経験し、長時間労働も経験し、人材派遣の現場も見てきました。

その経験から言えることがあります。

進路は、「やりたいこと」だけで決めるものではありません。

社会の構造を理解しながら選ぶものです。

だからこそ、若い人には夢だけではなく、
現実も知った上で進路を考えてほしいと思います。

それが、将来の自分と家族を守ることにつながるからです。

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