倒産増加は「危機」ではなく「選別」
前回の記事では、建設業は人が足りない産業であり、需要が確定している産業だと書きました。
しかし2025年、もう一つ大きな出来事が起きています。
建設業の倒産が急増しました。
2025年の建設業倒産件数は
2021件(前年比+6.9%)
過去10年で最多、12年ぶりに2000件を超えました。
これだけを見ると、
「建設業は危ないのでは?」と思うかもしれません。
ですが、進路視点では全く逆の見方をします。
これは危機ではなく、産業の選別が始まったサインかもしれません。
需要があるのに倒産するという異常事態
普通、倒産が増えるのは不況のときです。しかし現在の建設業は違います。
・インフラ老朽化
・災害復旧
・再開発
・設備投資
仕事は減っていません。むしろ需要は安定しています。
それでも倒産が増えている理由はなんでしょうか。
それは仕事が増えすぎて潰れているという異常事態です。
倒産の本当の原因
2025年の倒産要因を見ると、はっきりしています。
・人件費の急騰
・建材価格の上昇
・工期の延長
・請負単価が追いつかない
つまり、
仕事はあるけど、利益が残らない。
これが現在の建設業です。
中小・下請けが最も厳しい
ここが進路視点で最重要ポイント。
倒産企業の半数以上が負債5000万円未満の小規模企業
つまり、苦しんでいるのは
・下請け企業
・小規模企業
・労働集約型企業
です。
理由はシンプルです。建設業は長年この構造でした。
発注者
↓
ゼネコン
↓
一次下請
↓
二次下請
↓
三次下請
下に行くほど利益が薄くなります。
そして今は、物価高・人件費高が直撃しています。
このダブルパンチが直撃しています。
「増収倒産」という現象
最近の建設倒産の特徴は、売上は伸びているのに倒産する
なぜそのような事が起きるのか。
仕事が増える
↓
外注費・人件費が増える
↓
資金が先に出ていく
↓
資金ショート
つまり、忙しいほど苦しくなる構造で、これは生産性(利益率)が低い企業ほど致命的です。
生き残る企業の特徴
ここが一番大事。現在の建設業は淘汰フェーズに入ったのではないでしょうか。
生き残る企業ははっきりしています。
・元請企業
・技術力の高い企業
・ICT施工などを導入している企業
・人材確保できる企業
・単価交渉できる企業
逆に厳しい企業。
・人手頼みの企業
・多重下請け依存
・価格交渉できない企業
つまり今、建設業では企業格差が急拡大しています。
これは日本全体で起きていること
実はこの流れ、建設業だけではありません。
日本は今、インフレ経済に入りました。インフレ時代は必ず起きます。
生産性の低い企業の淘汰です。
これまで日本は
・低金利
・ゼロゼロ融資
・倒産抑制
で企業が守られてきました。でも、その時代が終わりました。
建設業はその最前線にいる産業です。
進路としてどう見るべきか
ここが進路アドバイザーとしての本音。
建設業界が「安定か不安か」ではなく
企業選びが重要な産業になったのではないでしょうか。
これからの建設業は、会社選び次第で未来が変わる業界です。
若者にとっての意味
重要なのはここ。
人が減っている、会社が減っている、需要は続く。
この組み合わせが意味すること。人材の希少価値が上がる
つまり、生き残る企業に入れれば
かなり有利な進路になります。
まとめ
建設業は今、
・人手不足
・倒産増加
・企業淘汰
という大きな転換期にいます。これは衰退ではありません。
産業の再編です。そして再編後に起きることは、いつも同じです。
待遇改善
人材争奪戦
給与上昇
建設業は今、その入口に立っています。
進路として知っておくべき重要な現実です。
また、この事実は建設業界以外でも見られる現象です。
生産性の低い会社は生存が厳しい社会という事です。


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