進路の話をしていると、かなりの確率でこの言葉を耳にします。
『やりたいことがあるから、その仕事で』
もちろん、やりたい仕事があることは素晴らしいことです。
夢や目標があることは、進路を考えるうえで大きな原動力になります。
でも、ここで一度立ち止まって考えてみてほしいのです。
それは本当に長く続けられる仕事なのかどうか。
仕事は好きだけでは続かない
世の中には魅力的な仕事がたくさんあります。
・美容師
・飲食店
・アパレル販売
・教育
・介護
どれも社会に必要で、やりがいのある仕事ですよね。
そして、独立や開業という夢がある仕事も多い分野です。
しかし同時に、これらの業界には共通点があります。
それは離職率が高い業界であるという事実です。
たとえば、美容・理容を含む生活関連サービス業では、
3年以内離職率が約6割というデータもあります。
飲食業では、半年間の離職率が全産業で最も高いという統計もあります。
これはこの仕事が悪いという話ではありません。
職業上の構造そのものが厳しい業界であるという話です。
夢のある仕事ほど離職率が高い理由
ここはとても重要なポイントです。
美容師には独立という夢があります。飲食業にも自分の店を持つという夢があります。
つまり、これらの仕事は挑戦型の業界なのではないでしょうか。
・長時間労働、土日勤務、収入が安定するまで時間がかかる、現場経験が重要、若いうちの努力量が大きい
こうした特徴があるため、途中で別の道に進む人も多くなります。
夢がある仕事ほど、特に最初の数年が厳しい。これが現実ではないでしょうか。
私自身の経験
これはデータだけの話ではありません。
私が新卒で入社した会社には、約25名の同期がいました。
4年後、私が退職する頃に残っていたのは4名ほどでした。
当時は『社会や会社とはこういうものだ』と思っていました。
しかし今振り返ると、業界や会社の構造が離職に大きく影響していたのだと感じています。
離職率は、決して他人事ではありません。
一方で離職率が低い業界もある
ここで少し視点を変えてみます。
製造業などは、離職率が比較的低い傾向があります。
安定した収益構造、教育制度、勤務形態の予測可能性が整っているためです。
つまり、同じ就職でも業界、会社規模、働き方によって、働き続けやすさは大きく変わります。
ここで見えてくるのは、進路は学歴だけでは決まらないという事実です。
大卒かどうかより大切なこと
進路の話は、どうしても学歴中心になりがちです。
・大学に行くか、短大に行くか、専門学校か、就職か。
しかし、実際に働く場所は『業界や職業』です。同じ大学卒でも、業界が違えば働き方は大きく変わります。
つまり、学歴より業界選びの方が、人生に影響する可能性があるということです。
やりたい仕事+業界の現実
ここで伝えたいことは一つです。
やりたい仕事を否定する必要はありません。夢を持つことはとても大切です。
やりたい事が、モチベーションになり、あなたが動き始めるきっかけになるからです。
しかし同時に、
その業界の離職率、働き方、キャリアの持続性。こうしたデータも確認してほしいのです。
感情だけでなく、数字も材料にする。
その視点が進路選択を強くします。
進路は「好き」と「現実」で考える
やりたい仕事を目指すことと、現実を知ることは矛盾しません。
むしろ、現実を理解したうえで目指すからこそ、長く続けられる仕事選びができます。
進路は、調べる、比べる、考えるこのプロセスが何より大切です。
好きな仕事を選ぶことが、必ずしも正解なのではありません。
考えて選んだ仕事が正解になり得るのだと思います。
↓新規学卒就職者の離職状況↓
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00010.html


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